ワタシはこれまでに多くのデザイナーさんたちと仕事をご一緒させて頂く機会に恵まれました。
また、自分が今やっている仕事も実は「デザイナー仕事」なのですが、世間一般の「デザイナー」像と自分とがあまりにかけ離れているため、「インフォメーション・アーキテクト(情報設計士)」を名乗っている次第です。
「デザイナー」という職業については誤解が多くはびこっており、特にアーティストと混同されていることがあるので、今日はそんな誤解を解くための記事を一つ…。
世間一般のデザイナー像、それは「なんかカッコイイ」!
これが一番分かりやすいデザイナーの「ステレオタイプ」と申せましょう。
が、しかし、どうなんでしょうねぇ(笑)。ちなみに負のイメージももちろんたくさんあるので、ちょっと正負混在させて下記に列挙してみましょう。
- センスがいい人、おしゃれな人
- 流行の最先端に敏感な人
- 洗練されている人
- 感覚だけで仕事してる人
- なんだか偉ぶってる人
- ぼったくってる人
- 口うるさくて細かい人
ふむ。こんな感じでしょうか?もし他に「デザイナーについてのイメージ」がありましたらどしどしお送りください(笑)。
上記のイメージにはいささか誤解も多いので、ちょっと説明(弁明?笑)してみたいと思います。
と、その前に「デザイン」とは一体何なんでしょうか?
デザインとは「計画を記号に表す」?
一般の人からすると、デザイナーの仕事は「見た目をキレイに整えるお仕事」というイメージが強いかもしれませんが、その作業自体はデザイナーの仕事のうちの20%程度ではないでしょうか?(あ、20%はワタシの主観ですw)
デザインというと「ファッションデザイナー」のイメージが先行してしまって、いろいろ誤解を生んでしまっているのかもしれません。
でもデザイナーと言ってもさまざまなデザイナーがいるのです。
- ファッションデザイナー
- インテリアデザイナー
- 環境デザイナー
- 空間デザイナー
- 照明デザイナー
- グラフィックデザイナー
- プロダクトデザイナー
- Webデザイナー
- ゲームデザイナー
- 情報デザイナー
- ブックデザイナー…などなどなどなど。まだまだ多数。
立ち返って、デザインとは何か?
それは「人により良い行動を促すために何かを設計すること」ということになります。
デザインの仕事は感覚的というよりむしろ、極めて論理的な仕事なのです。
よく、デザインとアートって何が違うの?とかも聞かれますが、ものすごく単純にわかりやすく言うと
アート:ゲイジュツは爆発だー!の世界。見る人の理解は特に求めていない。
デザイン:見る人、使う人が理解してないと全くもってお話にならない。
以上です。単純明快!
一番分かりやすいデザイン!それは水道の蛇口
「デザインとは何なのか?」一番分かりやすい説明が、水道の蛇口の話になります。水道の蛇口にはたいてい「お湯は赤、冷水は青」のカラーリングが施されていますよね。
文字で説明書きがあるわけではないのに、使う人が(自然に)理解し、適切な行動を起こします。(お湯を浴びたいなら赤い蛇口をひねり、水を飲みたいなら青い蛇口をひねる)
この「蛇口に赤と青のカラーリングを施した」この行為が「デザイン」となります。
あ!今「えー?そんな単純なこと?」って思いました?でもそうなんです。
優秀なデザイナーであればあるほど、本当に「人を自然に導く」デザインをします。それは「使う人が(何の疑いもなく)適切な行動をとるような」デザインで、優れたデザインは言葉の壁をも超えます。なんてCool!!
他に分かりやすい例で言うと、トイレの表示(文字がなくてもトイレだ!ってわかるとか、男子トイレ、女子トイレの区別が直感的にわかる)もそうですね。
話を戻して「デザイナー」ってどんな人?
では冒頭に話を戻しましょう。先程列挙した
- センスがいい人、おしゃれな人
- 流行の最先端に敏感な人
- 洗練されている人
- 感覚だけで仕事してる人
- なんだか偉ぶってる人
- ぼったくってる人
- 細かい人。神経質。
ですが、実体はこうです(笑)。
- 業種によるがあまり関係ない(笑)
- 職務上関係のある分野については情報を積極的に取り入れてます
- ムダが嫌いな人が多いため、洗練されて見えるのか?
- ×誤解。むしろ理論的に仕事をしてます。
- いいデザインを生むためなら全てをひっくり返す発言もいといません。
- おそらく成果が「自然」すぎてやった仕事に気づかれにくいのでしょう(涙)。
- 細かさは職業病
- お人好しがスゴイ多い(←追加!)
最後に、ワタシは個人的に絵が上手になりたくて、先日『絵はすぐに上手くならない(成冨ミヲリ著、彩流社、2015年)』という本を購入しました(この本!本当にすっばらしいです!)。
この本にズバリ「デザイナー像」を的確に表現したイラストがありましたので、ご紹介して締めくくりたいと思います。
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