そんなつもりはなかったけど、コロナのせいで母を自宅で看取ることになった話(4)。

そんなつもりはなかったけど、コロナのせいで母を自宅で看取ることになった話(4)。

2クールの抗がん剤治療を無事終えたものの、やはり休薬期間での回復が芳しくなく…。

XELOX療法スタート(ゼローダ+オキサリプラチン)3クール目

アバスチン療法もストップし、3クール目が始まったが1週間後に再び人工肛門周囲の皮膚トラブルが発生。

抗がん剤の内服薬(ゼローダ錠)は中止となった。

ストーマのトラブル続きで病院へ。肌がただれてストーマ(のパウチ)がなかなかつかなくてモレが生じるようでがん治療中の飲み薬を中止することに。

肌トラブルを刺激する作用があるので、肌を治してから抗がん剤治療の飲み薬を再開する予定。

母の日記より

この時期はちょうど母方の親戚の不幸も続き、死を間近に感じることが多かったと思う。

3クール目の最後の採血で免疫力も思うように回復しておらず(白血球の値が3.2!)、大事をとって2週間の休薬期間となった。

XELOX療法スタート(ゼローダ+オキサリプラチン)4クール目

2週間の回復期を経て、白血球の値も4.5まで回復し(それでも低めだけど…)4クール目施行となった。

治療4コース目。スムーズにスタートできてひと安心。

月末には経過を見るための腹部エコー検査の予定。

母の日記より

腹部エコー検査の結果、転移の確認

日記の「月末の腹部エコー検査」の結果、転移が多数見られたようで、白血球値の回復も芳しくなく今までの抗がん剤治療はあまり効果がない、という結果になった。

血液検査の結果、WBCの値が低く治療ができない。

効果があまり期待できないので治療法を変えてみることに…。次から2週1クールの治療に替えることに。

人生の残りを大切に生きることを考える事。おまけの人生を楽しもう。

73歳の人生ありがとう。

母の日記より

FOLFIRI治療の開始(フルオロウラシル+レボホリナート+イリノテカン)1クール目

吐き気どめの点滴を30分。イリノテカン+レボホリナートの抗がん剤を2時間。加えて、フルオロウラシルという抗がん剤を46時間連続投与となった。

母はCVポートを埋め込んでいるので、フルオロウラシルの抗がん剤は外来で薬剤を通したあと、点滴ポシェットをぶら下げて帰ってきた。

点滴ポシェットは46時間つけっぱなしで、帰宅後2日間は吐き気どめのステロイドを内服する。

46時間後、再度病院へ行って抜針してもらったあとは11日間の回復ターンとなる。

基本的に元気で6,000歩ほどのウォーキングもできていた。「コロナ前」ということもあって、体力づくりに極力歩いていた様子。

本来なら回復ターンは11日間だったが、これまでの抗がん剤治療で免疫力が低下していることもあり、慎重に移行している様子だった。

FOLIFIRI治療の副作用

  • 食欲不振、吐き気
  • 口内炎
  • 下痢
  • 色素沈着
  • 脱毛
  • 貧血
  • 免疫力低下

母の場合、投与後2週間目で脱毛、顔に赤い発疹の副作用が出始めた。

もともと髪が多い方だったので、傍目に脱毛の副作用は気にならないがやはり本人としては気になるようだった。

髪が抜けてきたような気がする。仕方のない事とはいえ、ちょっと気になる。

後半ごろから副作用が出る。1週間ほど口内炎あり。

母の日記より

約1ヶ月後の採血で白血球の値が3.1とかなり低かったため、2クール目の治療は延期となったが、それなりに効果も合ったようだった。

腫瘍マーカーの数値はだいぶ下がって、800台から150台まで落ちてホッとしている。

母の日記より

実際FOLIFIRI治療を始める3ヶ月前には腫瘍マーカー(CEA)の値が842.3だったのに対し、FOLIFIRI治療1ヵ月後には196.8まで下がっていた。が、やはり諸刃の剣であった。

FOLFIRI+ベクティビックス治療の開始(フルオロウラシル+レボホリナート+イリノテカン+ベクティビックス)1クール目

もう試行錯誤である。主治医の先生も大変だったと思う。

今度はベクティビックスという抗がん剤を1時間。吐き気どめを30分。イリノテカンとレボホリナートを2時間。フルオロウラシルを46時間持ち帰り点滴。

ベクティビックスの副作用

  • 肌荒れ(吹き出物、かゆみ、ひび割れ、爪周囲炎)
  • 電解質濃度(マグネシウム、カルシウム、カリウム)の低下
  • 下痢
  • 口内炎
  • 結膜炎、角膜炎
  • 倦怠感、吐き気

この治療を行っている間が一番母のテンションが低かった気がする。

人工肛門のトラブル、口内炎、肌荒れも強く出てしまい、「顔がお猿さんのようだ」ととても辛そうだった。それでも我慢強い母は6クール(約4ヵ月)、この治療を続けた。

極力体力を落とさぬよう、チャンスがあれば7,000歩程度のウォーキングに勤しんでいた。

新しい化学療法のスタートから3クール目。点滴から1週間、体調がすっきりしない。

集中力がなくふらつきがあり顔も(肌荒れで)バリバリに乾燥して色素沈着。口内炎はバリバリ。ストーマの周囲は炎症を起こし、パウチがしっかりつかずもれ出す始末。

今週はすっかりつかれ気味

母の日記より

パウチの交換。皮膚の炎症でうまくパウチが接着しない。今回の薬は皮膚トラブルで口内炎も多発。疲れ切ってしまった。

母の日記より

母が息を引き取る日まであと124日

折しも世間は「新型コロナウィルス」で大騒ぎとなり、外出禁止令が出て家に閉じ込められることになった。

病院はその対処でピリピリしており、がん患者とて例外なく不要不急の病院受診が憚られた。

ほとんど外出してないので体が重い。犬をお風呂に入れるだけでも息切れする。

ずっと家の中にいて、足のことが気になりお天気もいいので本屋さんを目標に歩くことにした。

はじめはやはり息が上がって少々きつい状態だったが、なんとか本屋まで着いた。久しぶりに歩いて満足。帰りは無理せずバスに乗って帰途に…。

母の日記より