日本バレエ協会沖縄支部さんが40周年を迎えられるということで、「ドン・キホーテ全３幕」のフライヤー（表面）デザイン、記念Tシャツをデザインさせていただきました。

バレエ「ドン・キホーテ」とは？

ドン・キホーテって検索するとかの有名な某ディスカウントストアが出てくるのですが（笑）。そうではなくて。

スペインの作家セルバンテスによって書かれた小説で、バレエとしては1869年に初演された演目です。

内容は…ちょっとよくわからない（笑）

内容はもともとの小説が気が狂った老人の妄想話なので、端的に説明できる自信が全くありません（笑）。

そんな困ったときのwikipedia。

ドン・キホーテとサンチョ・パンサは、旅の途中で豪華な婚礼の宴に参列する。

結婚するのは、金持ちの農民カマーチョと、美しい百姓娘キテリア（キトリ）である。キテリアにはバシリオ（バジル）という恋人がいたが、貧しいバシリオとの結婚を父親に反対され、カマーチョと結婚することになっていた。

結婚式の最中、突然バシリオが現れ、キテリアの不実をなじって自らを剣で刺す。瀕死のバシリオは、今からでもキテリアと結婚させてほしいと請う。カマーチョはバシリオがすぐ死ぬのであればとその願いを認め、キテリアも同意する。

司祭が2人を祝福した途端、バシリオは跳ね起きて身体から剣を抜く。自殺が偽装だったことに気が付いたカマーチョやその一族は憤るが、ドン・キホーテがそれを諫める。こうしてめでたく結ばれたバシリオとキテリアは、ドン・キホーテに感謝し、丁重にもてなしたのだった。

ウィキペディア（Wikipedia）ドン・キホーテ (バレエ)

ドン・キホーテ、めっちゃちょい役だし…。

まー基本的にバレエは女子の憧れ…。狂ったおっさんが主人公というわけにも行きませんものね…。

バレエではストーリーが恋愛もの・悲恋ものの人気が高いので、ドン・キホーテもカップルが「親の反対」という障害を乗り越えて結婚に至るまでが舞台になっています。

バレエ「ドン・キホーテ」舞台の特徴

舞台はスペインのバルセロナ

舞台はスペインのバルセロナです。スペインは長いことイスラム帝国の支配下にあったこともあって、当時ヨーロッパの中でも異国情緒あふれる文化があります。

イスラム帝国から領土奪還に成功したのちは、ポルトガルと並んでいち早く新大陸に乗り出し「スペイン黄金の世紀」がやってきます。

ドン・キホーテの舞台は異国情緒あふれるゴージャスなスペインなのです。まさにバレエ向け。

スペイン舞踊、コミカルな喜劇

スペインの舞踊といえばフラメンコ。衣装も小道具も振り付けもフラメンコのような要素が散りばめられています。

あと、話自体がいわば「ロミオとジュリエット」の喜劇版。コミカルな演技も随所に出てきます。

超絶技巧の見せ場が多く華やか

主役や役柄が与えられたキャラクターの踊りは超絶技巧が多く、見ている側は見ごたえがあって楽しいです。（踊る方は相当大変だろうけど…）

ゆえにコンクールの課題曲やガラ・コンサートの演目にも部分的によく使われます。

パ・ド・ドゥ（男女二人で踊る見せ場）も華やかなので、40周記念公演にはぴったりな演目ではないでしょうか？

お題：子ども向けのデザインにしてほしい

依頼を受けた際に送られてきたデザイン案はどれも40周年記念公演にふさわしく、華やかでゴージャスなデザイン。が、しかし依頼人は「子ども向けのデザイン」にしたい、とのこと。

そしてイメージするのはこちら！と添付されてきたのは…。

「ドン・キホーテの夢」／めぐろバレエ祭り《夏祭りガラ》「ドン・キホーテの夢」／NBS公演一覧／NBS日本舞台芸術振興会

www.nbs.or.jp

数々の名作を世に排出した有名漫画家、槇村さとる先生の絵がっ！

フィギュアスケートやフラメンコ、バレエなどの作品も多く手掛けていて、ご自身もバレエやダンスをやっておられるのでリアルな美しい絵を描く先生です。これを、描けと…？

バレエ女子は漫画が好きか？

「漫画＝子どもうけ」ということかなーと推測しましたが。果たしてそうか？

バレエをやってる子ってどこか大人びていて、「漫画なんてガキくさ！」って思ってはいないでしょうか（笑）？

さきほど紹介した槇村さとる先生のイラストを使ったあのチラシも、実は50〜60代女性をターゲットにしてるんじゃなかろうか？

日本の50〜60代女性はバレエ漫画の最盛期の世代。山岸凉子先生の『アラベスク』、有吉京子先生の『SWAN』などなど伝説的名作が生まれ、バレエ漫画がきっかけでバレエ人口もうなぎのぼりに…。

若い頃の憧れを忘れられず大人になってからバレエを始める人が多いのもこの世代なので、私の推測は間違っていないのではないでしょうか？

さて、頼まれた依頼のチラシはどうしたものか？ バレエ女子の心を掴むにはどうしたらよいか？

かなり悩みました。まー悩んだところで画力はないし…。

ミュシャを目指すことにした。

悩んだ結果、ミュシャの方向を目指すことにしました。

アルフォンソ=ミュシャは私の尊敬するチェコのイラストレーター・デザイナー。彼の作品は現代の若人からの人気も高いのです。

頂いた写真をミュシャのイラスト風に加工して、周りの装飾は17世紀に出版された書籍なんかを参考にしつつ、似たようなフォントを使いました。

あとは、「ドン・キホーテといえば？」の連想ゲームで「風車」「カスタネット」「ドン・キホーテの兜とランサー」「ギター」をイラスト化し配置して背景にはスペインのアルハンブラ宮殿の装飾を透かしで入れました。

８割できたところでクライアントチェックなど

私は７〜８割できたところで一度クライアントやターゲットとなる人に見てもらうことにしています。

クライアントからはすぐOKが出たので、方向性は確定。あとは依頼人がターゲットとしている「若い女子」に見てもらいます。というわけで親戚のJKに見てもらうことに…

（笑）。屈託のない意見をくれる存在はデザイナーにとってまことにありがたい存在であります。

で、アルハンブラ宮殿にも随所で使われている六芒星を「キラキラ」として追加したのでした。