目次
河村 雅美(The Informed-Public Project 代表)
Dr. Masami Kawamura
2016年9月16日
日本環境管理基準(Japan Environmental Governing Standards, JEGS)が2016年版に更新されている。
【案内経緯】
2016年4月21日に日本環境管理基準(Japan Environmental Governing Standards, JEGS)が更新され、在日米軍のHPで発表されていた。
http://www.usfj.mil/Portals/80/Documents/Other/2016%20JEGS.pdf
日本では、環境省のHPで在日米軍のHPのリンクをつけていたが、2016年版が出されていたことのアナウンス(報道発表)は特にされていなかった。
http://www.env.go.jp/air/info/usfj/index.html
防衛省による和訳は9月17日にHP上で発表された。
http://www.mod.go.jp/j/approach/chouwa/2016_jegs/index.html
【経緯の問題点】
- 在日米軍から発表されていたのにも関わらず、日本政府が積極的にアナウンスをしていないのは問題である。日本語の仮訳がでなくてもアナウンスは必要である。
- 漏出事故などでの在日米軍の判断の依拠はJEGSであり、現在どの基準が適用されているかは、私たちは知る必要がある。特に沖縄県民にとっては重要な情報である。それを放置していたのは問題であると考える。
- このアナウンス方法については、環境省ではルール化はされていないとのことであった(環境省聞き取り 2016.9.16、以下同様)。
【2012年から2014年の変更点】
1.環境省 水・大気環境局総務課によると主な変更点は4点
環境省 水・大気環境局総務課によると主な変更点は以下の4点であった。
(1)有害物質・有害廃棄物、化学物質36種を追加
英文 Appendix 1 付属資料 p216. Table AP1. T
化審法で反映されていないものが追加された。
*PFOS 追加 p.240 Table AP1.T4.
基準値が書かれていないのは、両国とも規制基準がないため。
(2)排水基準
これまでは水質汚濁防止法で規制されているものが反映されていたが、自治体の上乗せ部分が反映された。東京都の上乗せ部分が反映された。
英文 p68-70. Table C4.T7-13
(3)アスベスト取扱
詳細な規定を設定した
英文、p.187- Chapter 15 3.6.1~
(4)絶滅危惧種などの追加
英文 Chapter 13 Natural Resources and Endangered Species P168-
絶滅危惧種 29種 (p.168 Table C13.T.1)
特定外来種4種(p.175 Table C13.T3)
2.変更点について環境省としては文書の公開等については考えていない
変更点については、環境省としては文書の公開等については考えていないということであった。JEGSは米軍のものであるので日本政府として、新旧対照表などのようなものをつくる立場ではないとの見解であった。
3.JEGSは要旨部分(Executive Summary)も更新した部分がわかるような書き方をされていない。
今回、環境省は「追加」部分を変更点としてあげているが、過去には騒音項目が削除されたこともあり、さらなる検証の必要がある。