2017年6月4日(日)13時30分〜18時
津田塾大学 千駄ヶ谷キャンパス
沖縄と日本の関係を示す歴史的な節目が、権力によって更に分厚く上書きされているように感じます。だからこそ、現在何が本当に起きているかを知らなければならない、私たち市民が「知る力」を持ちたい。
今回、研究会では、沖縄から環境問題について調査・分析・発信しているIPP(The Informed -Public Project)の河村雅美さんから、沖縄の基地と環境の問題について、主に基地汚染問題についての現状とそれをめぐるポリティクス、また市民がどのように事実を知ることができるのか、お話をうかがいます。トランプ政権成立後のアメリカについて、米軍基地を抱える沖縄の環境問題から考えていくことが、この政権権力との向き合うヒントになるでしょう。
事前の研究会では、短い時間ですが、今春提出された卒業論文の発表も行われます。
沖縄からの声を聞き、様々な世代・立場で集まり、語り合おう、車座になって。
お忙しい時期と存じますが、どうぞ、ご参集ください。また研究会について、関心のある周りの方々にご回覧くださいますよう、お願いいたします。
*会場・資料準備の都合上、参加される場合は、予めご連絡いただけましたら助かります。
日時:2017年6月4日(日)13時30分〜18時
(13:30~卒論発表、14:45~講演会)
会場:津田塾大学 千駄ヶ谷キャンパス SA201教室
(JR総武線 千駄ヶ谷駅より徒歩5分)
卒論発表(13:30-14:30)
東洋大学 栗橋悠介さん「南洋群島の企業と日本の南進」
津田塾大学 尾池花菜さん「琉球民族の現代的創出―琉球民族独立総合研究学会の誕生」
講演会(14:45~17:45)
「沖縄の基地と環境汚染ーその現状・ポリティクス・知る力」
講師:河村雅美さん(The Informed-Public Project)
The Informed-Public Projectについて:
- The Informed-Public Project(インフォームド・パブリック・プロジェクト, IPP)は、沖縄をベースにした調査団体/メディアです。主に米軍基地汚染等の環境問題をテーマに活動しています。
- The Informed-Public Project に込められた意味は、市民の「知る力」をつけていくプロジェクトです。安全で安心して暮らせる公正な社会には、行政や既存のメディアの情報に頼ることなく、市民が情報を自ら入手、分析し、その結果を発信する力を持つことが必要です。基地問題は、隠蔽、行政による問題の矮小化の傾向があるため、ウォッチドッグの役割を市民が担うことが求められます。
- その役割を果たすべく、公開情報を精査し、情報公開制度等でさらに情報を入手し、調査・分析し、県内のメディアとウェブでその結果を公表する、という調査報道的なスタンスで活動しています。
- 米軍基地問題は事故、事件が既存のメディアで大きく扱われる一方、IPPの調査は、米国、日本政府、沖縄県、市町村間の関係の政治力学の中で何が起きているのか、の構造的な問題の現状把握に焦点を当てているところが特徴です。
- 既存メディアでは光の当たらない部分に光を当て、追及のための追及に終わることなく、現実的なアジェンダ設定を見すえた活動を目指しています。
<これまでの主な調査>
- 嘉手納基地汚染由来と推測されているPFOS(有機フッ素化合物)の水源汚染の問題では、沖縄県の米軍への要望を矮小化し、沖縄防衛局が米軍に文書を出していたことを明らかにし、日本政府の役割、機能そのものを問題化。PFOS問題は現在、米国内外の米軍基地で問題になっている。
- 沖縄の枯葉剤問題も追及中。読谷村の米軍読谷飛行場跡地の汚染問題では、非公開であった汚染のデータのみでなく、投棄物が米軍由来と認定しない日本政府、汚染を放置したまま農地整備事業を進めていた県や読谷村という複雑な無責任構造を問題化。「複合汚染」「複合投棄」という沖縄の返還跡地の複雑な特質も明らかにする。
- 国際機関との関係も射程に含め、琉球諸島と奄美の世界自然遺産登録の推薦手続きで、課題とされている米軍北部訓練場の問題、オスプレイ、高江のヘリパッド問題を避け続けたまま、説明責任を果たさない環境省の姿勢を情報公開請求で追及中。
- 詳細はIPPのウェブを参照:https://27labo.com/ipp-test
問い合わせ先:沖縄関係学研究会 okikanken2016@gmail.com